ねずみのよめいり(日本昔話)天気のそれぞれの力関係がおもしろい



市川宣子 文
かわかみたかこ 絵
小学館 出版
おすすめ年齢:2~5歳児

■あらすじ■
ネズミの夫婦に一匹の女の子ネズミが産まれて、
たいそうかわいがられて育てられていました。

娘ネズミが大きくなるとお父さんとお母さんは思いました、
「この子にお婿さんを探してやらないとなあ」
「世界一大事な娘だから、世界一のお婿さんを探さないと」
お父さんは誰がよいか考えて考えて、
まず最初にお日様のところへ行きました。

「いつも明るくみんなを照らすお日様、
世界で一番偉いお日様、どうか私の娘と結婚してください」
するとお日様は、
「いやいやネズミさん、世界で一番偉いのは私じゃありませんよ」
と言いました。
そして…





■レビュー■
日本昔話より、「ねずみの嫁入り」のお話です。
このお話の主人公はネズミなので、子ども達にも馴染みがあり、
出てくる登場人物も太陽、雲、風、壁と分かりやすいものばかりなので、
昔話の中でも子どもが話の内容をイメージがしやすいと思います。

「世界一偉いのは誰か」という問題をネズミのお父さんが考えるのですが、
お日様をまず選んだ理由が良いですね。
「世界を明るく照らしているから」確かに太陽があるから昼は明るく、
人間や動物も活動をして生きていけますもんね。
読むことで太陽の大切さや重要さを子どもに教えてくれます。

そのお日様は、「雲が出たら隠れてしまうので雲には勝てない」
といい、雲は「風に吹き飛ばされてしまう」といい
風は「壁は吹き飛ばせない」といい、
壁は「ねずみにかじられて穴を開けられてしまう」と言ったので、
最後はネズミをお婿さんにしてハッピーエンドという内容です。

いろいろ回りまわって同じネズミに落ち着くのが、
物語の終わり方として収まりが良いいです。

「鼠の嫁入り」の絵本は数多く出ていますが、
この絵本は水彩絵の具で色付けられている優しい絵と、
かわいいけれども、アニメちっくではないように描かれたキャラクターが子どもに良いと思い推薦します。

絵本の魅力である、絵で登場人物の動作を表現するのも上手く、
壁のところに行った時に、後ろの方で風が散歩していたり、
最後のページで字はないけれど、
娘夫婦の子どもがたくさんできていて乳母車を押してる様子を描いているなど、
絵の力で話を伝えています。

■読んだ子どもの姿■
登場人物がそれぞれネズミのお父さんと会う場面では、
見開きで大きく描かれているため、
登場するたびに、「お日様大きい!」「風さん早いね」
などと感想を言う姿が見られます。

雲は風に吹き飛ばされてしまうから適わない、
などといった理屈も「あ、本当だね」と年齢が高くなると納得しています。

最後に子どもがたくさん産まれた絵を見て、
「子どもたくさんできてるね」とその後幸せに暮らしたことを喜んでくれますよ。


Wikipediaにこの民話のページがないことが意外でしたが、
いつ頃からどんな経緯でこの昔話が出来たんでしょうか。

子ども達にとってとても親しみやすい話ですのでぜひ。



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